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インフルエンザ

インフルエンザ

インフルエンザは初期(48時間以内)には抗ウィルス剤が有効です。
かぜ症状、発熱の際には早めに受診して下さい。

国立感染症研究所感染症情報センター報告02月03日~02月09日

症状

発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現われ、咳・鼻汁などが続きます。いわゆるかぜ症候群に比べて全身症状が強いのが特徴です。
ただし、いわゆるかぜとインフルエンザを症状のみで区別するのは困難なことがあります。

原因

インフルエンザウイルスによります。 ウイルス粒子内の核蛋白の抗原性の違いから、A・B・Cの3型に分けられ、 このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。
A型インフルエンザウイルスはブタ、トリなどにも感染し人畜共通の感染症とされるようになりました。
最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスの運び屋として注目されるようになっています。

特徴

突然に現われるインフルエンザは、狭い地域からより広い地域、 県・地方・国を越えて流行があっという間に広がります。
年によって若干の違いはありますが、 毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり翌年の1-3月頃に増加、 4-5月にかけて減少していくというパターンを繰り返しています。
1890年にアジアかぜが世界的に大流行した頃から、日本ではインフルエンザのことを 流行性感冒(流感)と呼ばれるようになりました。 大流行の年には多数の死亡者が出ています。 1918年には、スペインかぜが世界各地で猛威をふるい、 全世界の罹患者数6億、死亡者は2,000-4,000 万人にのぼったとされています。
医療の進歩した現在でもインフルエンザに関連する肺炎死亡数は人口10万人あたり10人を越えています。
インフルエンザに関連した脳炎・脳症で死亡した子どもたちは、年間100-200人とされています。

予防接種

現在はA型の2種とB型の3種のインフルエンザウイルスが、 世界中で共通した流行株となっているので、 原則としてインフルエンザワクチンはこの3種類の混合ワクチンとなっています。
インフルエンザワクチンには、発病を阻止するほどの効果は期待できません。 しかし、発熱などの症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らすことができると考えられています。
特に65歳以上の高齢者や喘息などの基礎疾患を有する方はインフルエンザが重症化しやすいので、 ワクチン接種による予防が勧めれます。
ただし、卵アレルギーの方は接種できません。

診断と治療

咽頭拭い液や鼻汁からインフルエンザ抗原を検出するキットが市販さており クリニックレベルでも早期の診断が可能となってきました。
また、血液検査でもウイルス抗体の測定が可能であり、 確定診断に必要なウイルス学的診断が容易にできるようになっています。
2001年2月にはインフルエンザA型およびB型に強力な阻害作用を有する リン酸オセルタミビル(一般名タミフル) が保険適応となりました。
発症後48時間以内に治療を開始すれば症状をかなり抑えることが可能です。 インフルエンザをきっかけとする肺炎などの肺合併症の予防、全身症状を抑える対症療法が中心となります。

脳炎・脳症

最近解熱剤による脳炎・脳症が問題になっていますので、勝手に解熱剤を飲ませたりせず、 医師の指示に従って下さい。小児にたいしてはアセトアミノフェンが安全とされています。
ただし、他の解熱剤と脳症との関連が医学的に証明されているわけではありません。

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